ディクロスス・ホイルニの識別、砂底、餌、繁殖水質について整理しました。属全体の飼育案内と本種の観察例を分け、産卵後に確認すべき点も紹介します。
ディクロスス・ホイルニ(Dicrossus foirni)の成魚のメス。原記載では、子育て中の体色を示す個体として紹介されています。
出典:Uwe Römer, Ingo J. Hahn, Pablo M. Vergara(2010)Description of Dicrossus foirni sp. n. and Dicrossus warzeli sp. n. (Teleostei: Perciformes: Cichlidae), two new cichlid species from the Rio Negro and the Rio Tapajós, Amazon drainage, Brazil(Vertebrate Zoology 60(2):123–138, 図4)/© Museum für Tierkunde Dresden/CC BY 4.0。PDF内の写真をRGB形式に変換。切り抜き・魚の描き換えなし。表示のみ縮小。
ディクロスス・ホイルニの飼育データ| 項目 | 目安・確認点 |
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| 学名 | Dicrossus foirni 参考:[1] |
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| 自然分布 | ブラジルのネグロ川流域 参考:[1] |
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| 大きさの案内 | 老成した雄は約10cm近く(Aqualog。測定法の明記なし) 参考:[3] |
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| 繁殖時の水質案内 | pH 5未満、硬度はほぼゼロ(Glaser。通常飼育の許容範囲ではない) 参考:[4] |
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砂と陰の飼育例を、成功条件と分けて参考にする
SpotOn88氏の水槽は砂と落ち葉、流木、洞窟、浮草で暗がりを作ったものでした。これは野外環境そのものの記録でも、稚魚育成まで成功した条件でもありません。水槽作りには砂を探れる面と陰の配置を参考にしつつ、産卵の有無、卵の発生、同居魚の接近を別々に観察します。 参考:[3]・[5]
sp.リオネグロの旧名と、正式な種名を対応させる
本種は以前Dicrossus sp.「Rio Negro」として流通した魚です。現在のDicrossus foirniと、点が集まった斑紋の3列という特徴を確認します。似たワルゼリの記録を混ぜず、古い流通名で見つけた繁殖記事も、対象魚と結果がどこまで確認されたものかを見て読みましょう。 参考:[1]・[2]・[4]
3列の斑紋を手掛かりにする
原記載は、点が集まった斑紋が3列に並ぶ点を示しています。ワルゼリの横長の斑点と見比べる際の手掛かりになります。 参考:[2]
底面に砂を残す
Aqualogはチェッカーボードシクリッド類が砂底で餌を探すことを重視しています。石や流木だけで底を覆わず、採餌できる砂の区域を残します。 参考:[3]
導入の準備| 場面 | 対応 |
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| 底床 | 平らな砂の区域を設ける。 参考:[3] |
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| 水温 | 同誌のチェッカーボードシクリッド類の案内は導入期26〜30℃。本種の許容限界を示す実験値ではない。 参考:[3] |
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餌は販売個体の実績から選ぶ
同誌はチェッカーボードシクリッド類の餌として、生餌・冷凍餌・乾燥餌を挙げています。購入するホイルニが何を食べているかを販売店で確認します。 参考:[3]
産卵と稚魚育成の成功を分ける
Glaserは卵の発生に非常に軟らかい酸性水が必要と説明しています。産卵したことだけで、卵が育つ条件も満たしたとは判断できません。 参考:[4]
SpotOn88氏の記録は26℃、pH 5.7で繰り返し産卵したものの、投稿時点では稚魚を得られていない例です。この報告だけで失敗の原因をpHに断定することはできません。 参考:[5]
雌の保育と同居魚の行動を見る
同氏は雌が産卵後に雄を追い払い、同居のドワーフペンシルが卵を食べたため取り出したと報告しています。小型の同居魚でも、卵や親魚への影響を観察します。 参考:[5]
飼育でつまずいたときに確認したいこと
次の場面では、見た目だけで原因を決めず、食べ方や同居相手、設備を順に確認します。 参考:[4]・[5]
起こりうる場面と、確認・対応のしかた| 場面・避けたい判断 | 確認すること | 取る行動 |
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| 産卵したので稚魚が育つ条件も十分と思う | 卵の発生と、実際に稚魚が得られたか | 産卵と孵化・育成を分けて記録する。 参考:[4]・[5] |
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| 小さなペンシルなら卵には影響しないと思う | 産卵場所への接近と、雌への干渉 | 小魚でも卵を食べた記録を踏まえ、繁殖時の同居を見直す。 参考:[5] |
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| 一つの失敗例をpHだけの問題にする | 測定条件と、同居魚・卵の状態 | 原因を一つに断定せず、管理の経過を記録して相談する。 参考:[5] |
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ディクロスス・ホイルニのよくある質問
飼育記録の水槽構成は?
SpotOn88氏は125Lで雄1匹・雌2匹を飼育しています。最小水量を示す記録ではありません。 参考:[5]
購入前に確認したいこと
- 学名と斑紋を確認した 参考:[1]・[2]
- 餌を探せる砂底を残した 参考:[3]
- 卵を食べる同居魚を分けられる 参考:[5]
- 旧入荷名とD. foirniの対応を確認した 参考:[2]・[4]
- 現在の餌と、繁殖時に同居魚を分ける場所を確認した 参考:[3]・[5]
関連ページは特徴や飼育条件を比較するための案内です。混泳できる組み合わせを示すものではありません。
参考資料・情報の確認について
飼育施設・専門店の飼育案内と分類資料を照合して編集しています。野外の最大サイズと水槽内の目安を区別し、流通名だけでは種を特定できない場合は本文に記載しました。資料確認日:2026年10月1日。
- Eschmeyer’s Catalog of Fishes:学名・分布:2026年10月1日に現行分類を確認。
- Römer・Hahn・Vergara(2010):原記載:識別と野外観察の原論文。
- Aqualog NEWS 114:Checkerboard cichlids:Ursula Glaser-Dreyer氏の2015年の解説、8・10ページ。
- Aquarium Glaser:Dicrossus foirni:2026年3月20日の種別案内。
- Apistogramma.com:My experience with Dicrossus Foirni:SpotOn88氏による個人の飼育記録。