エピプラティス・アンヌラトゥスは、帯模様と、雄の色鮮やかな尾びれを楽しめる小型の卵生メダカです。水面で小さな餌を拾うため、沈む餌だけを与えたり、素早い魚が多い混泳水槽へ入れたりすると、十分に食べられない場合があります。静かな水面と小さな餌を用意することが飼育の中心になります。
エピプラティス・アンヌラトゥス(Epiplatys annulatus)。
写真:Oscar le poisson / Epiplaty annulatus – Panchax à bandes.jpg(Wikimedia Commons) / CC BY-SA 3.0。掲載元の色・構図を保持。表示用に縮小。
撮影個体の一例です。色の見え方は照明などでも変わります。
エピプラティス・アンヌラトゥスの飼育データ
| 項目 |
目安・確認点 |
| 学名 |
Epiplatys annulatus。Pseudepiplatys の属名でも紹介される |
| 大きさ |
最大3.5cm SLの資料あり。尾びれは含まない |
| 水槽・群れの参考 |
底面45×30cm以上、8〜10匹以上(Seriously Fish) |
| 水温・水質の参考 |
20〜26℃、pH4.0〜7.0、1〜8dGH |
| 餌の位置 |
水面の小さな浮く餌。沈むと見逃すことがある |
| 繁殖 |
水草・モップへの産卵。稚魚の初期餌は非常に小さい |
数値は出典の飼育目安・記録値です。販売個体の種類や状態、購入先の管理条件も確認してください。参考:[1]・[2]
dGH・dHは水の硬度を表す単位です。pHと硬度は別の指標として確認します。
クラウンキリーの特徴と、雄雌の違い
クラウンキリーとも呼ばれ、淡い色と濃い帯が交互に入ります。雄は尾びれの中央が伸び、赤や青の色が目立つ一方、雌のひれは控えめと、英国卵生メダカ協会の記録で説明されています。
小さな販売個体では雌雄差が見えにくい場合があるため、体色だけで判断せず成熟度も確認します。Pseudepiplatys と Epiplatys の両表記で飼育情報が見つかりますが、一般的なグッピーや改良ベタの説明をそのまま流用しないことが大切です。
参考:[1]・[2]
水槽とレイアウト:水面を静かに使えるように
Seriously Fishは底面45×30cm以上と8〜10匹以上の群れを案内しています。水槽を立ち上げてすぐ入れるのではなく、ろ過が安定した環境を用意します。浮き草や水草で陰を作り、魚が休みながら餌を待てる場所を残してください。
フィルターの排水で水面全体が速く流れるなら、向きや配置を見直します。餌が一瞬で吸い込まれる場所では、魚が食べたか判断しにくくなります。蓋を用意し、給餌口や配線の周囲も確認して、飛び出しを防ぐ基本の対策を行います。
参考:[1]
餌は水面へ、小口に合う大きさで与える
英国卵生メダカ協会の飼育記録には、水面のフレークや小さな生き餌を食べ、沈むと無視しやすいことが書かれています。底に餌が残っているのを見て、十分に餌を与えたと考えないようにしましょう。
AIによる説明イラスト 浮く餌・沈む餌など、餌を届ける位置を考えるイメージです。餌の種類や粒の大きさ、実際に食べられる場所は魚に合わせて選びます。
ごく小さな粒を水面へ行き渡らせ、口に入れて吐き出していないかを確認します。粒が大きいなら細かくし、購入先で使う餌も聞きます。出てこない個体がいる場合は、餌の種類だけでなく水流やほかの魚の動き、陰になる場所を見直してください。
具体的な候補は、細かく砕いた浮くフレークや、小さなミジンコ類です。Aquarium Co-Opはゆっくり沈むブラインシュリンプ幼生なども挙げています。餌の種類名が合っていても沈む速さは異なるため、アンヌラトゥスが待つ水面で食べられるかを優先して選びます。
参考:[2]・[3]
水温・水質と混泳:静かな小型魚でも条件を確認
本種の水温と水質は基本データに示した範囲が参考になりますが、低いpHへ急に合わせることを勧めるものではありません。販売店の条件と自宅の水を測り、安定した水槽へ導入します。
AIによる説明イラスト 採水した水と色見本を比べ、水温計も確認する場面です。適した数値や確認項目は、魚・水草と現在の飼育条件に合わせて確かめます。
小柄でおとなしいため、一般的な混泳水槽へ無条件には勧められません。ダニオなど採餌の速い魚との組み合わせは、餌を取れない個体が出るかを考えます。雄が複数いるだけで必ず不可とは言えませんが、追われ続ける個体がいないか観察し、必要なら分離します。
参考:[1]・[2]
繁殖の難所は、孵化後の小さな稚魚の餌
モスや産卵モップなどに卵を産みます。孵化日数は温度に依存するため、産卵日と飼育温度を記録しながら観察します。親魚の餌がそろっていても、それが生まれたての稚魚に使えるとは限りません。
協会の繁殖記録では、初期にインフゾリアのような微小な餌を使い、その後の成長に合わせてブラインシュリンプ幼生を与えています。稚魚の口と餌の大きさを合わせる準備が重要です。吸い込みを防ぐろ過と、観察・清掃しやすい育成場所も用意しましょう。
参考:[1]・[2]
浮き草の下に、休む場所と餌を拾う窓を作る
水面全体を浮き草で覆うと、魚の位置と餌の流れが分かりにくくなります。陰になる部分を残しつつ、手前に餌を落とせる開けた面を作ると観察しやすくなります。排水口の直下へ餌を落とすのではなく、魚が流されずに待てる場所へ少量ずつ届けてください。
水面を使う魚同士を組み合わせると、体長が違わなくても餌場が重なります。水槽の下側が空いて見えることだけでは、追加できる余裕を判断できません。本種のいる高さを基準に、追い回しと給餌競争を見ます。エビも成体が残っているから稚エビまで安全とは言えません。
浮き草の下に、休む場所と餌を拾う窓を作る
| 場面 |
確認と対応 |
| 餌がすぐ消える |
食べたのか、流れや吸水口へ運ばれたのかを区別 |
| 水面の隅だけに集まる |
陰の位置、流れの強い部分、他魚の動きを確認 |
| 底に餌が残る |
追加を止め、浮く餌の大きさと与える位置を見直す |
参考:[3]・[2]
初期餌は、稚魚が取り込める大きさから段階的に
英国卵生メダカ協会の記録では、孵化直後の稚魚にブラインシュリンプ幼生が大きすぎる点が課題になります。まずインフゾリアなど微小な餌を用意し、成長後により大きい餌を試す順番で考えます。親魚用の餌を砕くだけで必ず育つとは見込まないようにしましょう。
初期餌を確保してから採卵すれば、孵化を待つ間に給餌用の道具や吸い込みにくいろ過を整えられます。稚魚の大きさに差があるときは、大きな個体が食べ始めたことだけで全体の餌を切り替えず、小さい個体にも届く餌を残します。
参考:[2]・[3]
エピプラティス・アンヌラトゥスのよくある質問
餌が底に残るのに食べません。なぜですか?
沈むと餌を見逃す場合があります。水面に浮く小さな餌が届くか、水流で流されていないかを確認します。
雄は1匹しか入れられませんか?
雄が複数なら必ず隔離という魚ではありません。群れの飼育案もありますが、追い回しと採餌を観察し、落ち着ける場所を確保します。
稚魚にすぐブラインシュリンプを与えられますか?
生まれたてには大きすぎる場合があります。微小な初期餌を用意し、成長と食べ方を見て切り替えることが必要です。
購入前に確認したいこと
- 浮き草などで静かな水面と陰を作る
- 水面で食べる小さな餌を用意する
- 蓋と配線の隙間を確認する
- 殖やすなら微小な初期餌を先に準備する
関連ページは特徴や飼育条件を比較するための案内です。混泳できる組み合わせを示すものではありません。
参考資料・情報の確認について
飼育施設・専門店の飼育案内と分類資料を照合して編集しています。野外の最大サイズと水槽内の目安を区別し、流通名だけでは種を特定できない場合は本文に記載しました。資料確認日:2026年9月22日。
- Seriously Fish:Epiplatys annulatus:標準体長、群れ、水温水質と繁殖
- British Killifish Association:Pseudepiplatys anulatus:1970年の飼育記録の再掲。摂餌位置、雌雄、稚魚用の餌を参照
- Aquarium Co-Op:Clown Killifish:水面向けの餌、穏やかな流れ、稚エビ捕食と育成例