セレベスメダカは、水質と逃げ場所を整えて群れの行動を観察したい魚です。産地、体長、水槽の配置、食事、卵を運ぶメスと稚魚の育成を解説します。
セレベスメダカ(Oryzias celebensis)の成魚。上が雄、下が雌です。原著の図2aに示された雌雄の写真を掲載しています。
出典:Satoshi Ansaiほか(2021)Genome editing reveals fitness effects of a gene for sexual dichromatism in Sulawesian fishes(Nature Communications 12:1350, 図2a)/© 2021 The Author(s)/CC BY 4.0。原図2aからセレベスメダカの雌雄写真を切り出し。魚体・色の加工なし。原寸以下で表示。
セレベスメダカの飼育データ| 項目 | 目安・確認点 |
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| 学名 | Oryzias celebensis 参考:[1] |
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| 分布 | スラウェシ島南西部と東ティモール 参考:[1] |
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| 大きさ | FishBase:最大4.5cm TL(尾びれを含む全長) 参考:[4] |
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| 飼育水質の目安 | Seriously Fish:23〜27℃、pH7.0〜9.0、総硬度5〜25dGH 参考:[2] |
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| 水槽・群れの目安 | Seriously Fish:底面45×30cm以上、8匹以上 参考:[2] |
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| 生息環境 | 淡水域。水草の多い止水〜緩流域 参考:[1]・[3] |
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数値は出典の飼育目安・記録値です。販売個体の種類や状態、購入先の管理条件も確認してください。参考:[1]・[2]・[3]・[4]
dGH・dHは水の硬度を表す単位です。pHと硬度は別の指標として確認します。
TLは尾びれを含む全長、SLは尾びれを除く標準体長です。測定法の違う数値は同じ基準として比べません。
産地と大きさを確認する
原記載の産地はスラウェシ島のマロス川です。現在の分類資料には東ティモールも含まれており、島の名前だけを根拠に分布を一か所へ限定しないようにします。 参考:[1]
体長は資料の測定法も確認します。FishBaseの4.5cmは尾びれを含む全長で、購入時の小さな個体の寸法とは区別して考えます。 参考:[4]
生息環境から水槽の配置を考える
マロス周辺には石灰岩の地域があり、川がその上を流れますが、生息地のすべてが同じ環境ではありません。植物の多い止水域や緩流域を利用する背景から、水槽では水草の茂みと開けた遊泳場所を両方作り、酸性軟水を一律の前提にしないようにします。 参考:[2]・[3]
AIによる説明イラスト メジャーと紙を用意し、専用台に載せる水槽の配置を考える場面です。水槽の大きさ・深さ・設備は、成長後の魚と飼育条件から選びます。泳ぐ場所と退避する場所を分ける
Aquarium Glaserは群れの遊泳空間と逃げ場所の両方を挙げています。同種同士でも小競り合いがあるため、水草を茂らせた場所を用意し、追われる魚が離れられるか観察しましょう。 参考:[3]
軟水・酸性を前提にしない水質管理
Aquarium GlaserはpH8程度と一定の硬度がある水を案内しています。メダカ類の名前だけで同じ水に入れず、導入前に水槽と販売先の条件を比べます。 参考:[3]
Petcoのメダカ類向け管理案内は、日々の水温・ろ過器の確認と週ごとの水質測定を挙げています。水が透明かどうかだけで判断せず、測定と部分換水を続けます。 参考:[5]
餌と混泳で小型魚の居場所を守る
小粒飼料にミジンコやブラインシュリンプなどを組み合わせます。同居相手は小型で穏やかな魚から検討し、繁殖を目指す場合は他のOryzias属と分けます。 参考:[2]
日常の観察と判断| 確認する場面 | 見方・次の行動 |
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| 同種に追われる | 逃げられる水草の陰を確保する 参考:[3] |
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| 酸性の水槽に入れたい | 購入先の水質を先に確認する 参考:[3] |
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| 透明だから水質は良さそう | 試薬でも測定する 参考:[5] |
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| 稚魚の大きさに差が出た | 育成容器を分ける 参考:[2] |
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メスが運ぶ卵と孵化後の管理
メスは卵を体外に付けて数時間運び、植物などへ付着させます。卵を付けている姿は、稚魚を胎内で育てている状態とは異なります。 参考:[3]
孵化までの目安は1〜3週間で水温に左右されます。親は泳ぐ稚魚を食べることがあるため、親の水を使った別容器と微小な餌を用意します。大きさの違う稚魚も食い合いを防ぐため分けます。 参考:[2]
購入前の確認と、飼育でつまずきやすい場面
Oryzias celebensisと由来を確認し、「セレベス」はスラウェシ島の旧名にちなむ呼び名と理解します。別の島名付きメダカと同じ水でよいとは決めず、管理水、同種の群れと育成容器を準備します。 参考:[1]・[2]・[3]
気になる様子から確認と対処を考える| 気になる場面 | 先に確認すること | 次の行動 |
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| 同種の一匹が追われる | 水草へ逃げた後も追尾されるか、食事に出られるかを見る | 茂みと遊泳場所を分け、休めない魚は分離できるようにする 参考:[3] |
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| 酸性水槽へそのまま追加したい | 購入先と家庭のpH・硬度を照合する | メダカという呼び名で条件をまとめず、本種に合う水槽を用意する 参考:[2]・[3] |
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| 稚魚の大きさに差がつく | 大きい稚魚と小さい稚魚の食事・接触を見る | 大きさ別の育成容器を用意し、捕食と取り負けを防ぐ 参考:[2] |
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セレベスメダカのよくある質問
魚が小さければ、水草だけの狭い容器でよいですか?
群れが泳げる場所も必要です。逃げ場所だけでなく、開けた空間を確保します。 参考:[3]
親が卵や仔魚の世話をしますか?
FishBaseでは親による保護を行わない魚として整理されています。親任せにせず育成環境を用意します。 参考:[4]
他のスラウェシ産メダカと全部同じ環境ですか?
同じ島の魚という理由だけでは決められません。Sulawesi Keepersの保全繁殖活動でも複数の種・集団を扱っており、学名を記録して管理することが出発点になります。 参考:[6]
購入前に確認したいこと
- 学名と由来を確認した 参考:[1]
- 泳ぐ場所と水草の陰を用意した 参考:[3]
- 水質を測る道具を用意した 参考:[5]
- 稚魚の育成容器を準備した 参考:[2]
関連ページは特徴や飼育条件を比較するための案内です。混泳できる組み合わせを示すものではありません。
参考資料・情報の確認について
飼育施設・専門店の飼育案内と分類資料を照合して編集しています。野外の最大サイズと水槽内の目安を区別し、流通名だけでは種を特定できない場合は本文に記載しました。資料確認日:2026年9月22日。
- Eschmeyer’s Catalog of Fishes:学名・分布:2026年9月22日に現行分類を確認。
- Seriously Fish:魚種別飼育資料:寸法・水質は同資料の飼育推奨。
- Aquarium Glaser:輸入個体と飼育の解説:輸入業者による個体の形態・飼育説明。
- FishBase:魚種データ:測定法を明記した体長と生態を参照。
- Petco:Ricefish Care:複数のメダカ類に共通する設備・日常管理のみ参照。種別の水温や塩分には転用しない。
- Sulawesi Keepers:保全繁殖活動:O. celebensisを含む種・集団ごとの飼育個体群の維持活動。