レッドテールブラックシャークは、黒い体と赤い尾びれが特徴の淡水魚です。成長後は縄張りを持つため、広い底面と隠れ場所を用意し、通常は同種1匹で飼育を計画します。穏やかな魚を選ぶだけでは混泳は決まらず、泳ぐ場所や体形、実際の追いかけ行動を確認することが大切です。
レッドテールブラックシャーク(Epalzeorhynchos bicolor)。
写真:Astellar87 / Epalzeorhynchos bicolor1.jpg(Wikimedia Commons) / CC BY-SA 4.0。掲載元の色・構図を保持。表示用に縮小。
撮影個体の一例です。色の見え方は照明などでも変わります。レッドテールブラックシャークの飼育データ| 項目 | 目安・確認点 |
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| 学名 | Epalzeorhynchos bicolor 参考:[1] |
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| 原産地 | タイ。下流チャオプラヤー・バンパコン・下流メークロンの記録がある 参考:[4] |
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| 大きさ | FishBaseは最大13cm TL。Maidenhead Aquaticsは15cmと案内(測定法の記載なし) 参考:[1]・[3] |
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| 水温・水質 | Maidenhead Aquaticsの目安は22〜27℃、pH6.0〜7.5、硬度18dHまで 参考:[3] |
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| 水槽 | Seriously Fishは底面120×45cm以上、Fluvalは300L以上を推奨 参考:[2]・[5] |
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| 飼育匹数 | 通常は同種1匹。成魚の縄張り性に注意する 参考:[2] |
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| 食性 | 植物質と小型の底生動物を食べる雑食性 参考:[1] |
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数値は出典の飼育目安・記録値です。販売個体の種類や状態、購入先の管理条件も確認してください。参考:[1]・[2]・[3]・[4]・[5]
dGH・dHは水の硬度を表す単位です。pHと硬度は別の指標として確認します。
TLは尾びれを含む全長、SLは尾びれを除く標準体長です。測定法の違う数値は同じ基準として比べません。
黒い体と赤い尾、成長後の大きさを確認する
本種はコイの仲間で、サメではありません。FishBaseの最大13cm TLは全長の記録です。専門店の15cmという案内とは測定法がそろっていないため、同じ基準の数値として扱いません。 参考:[1]・[3]
体の黒さは落ち着いた環境で増すことがあります。ただし、色の薄さだけで病名は決められません。色とともに、食べ方や同居魚との距離など、普段との変化を記録して相談する材料にします。 参考:[3]
水槽は底面と隠れ場所を組み合わせる
底面120×45cm以上というSeriously Fishの目安に加え、Fluvalは300L以上を案内しています。底面寸法と容量は別の指標なので、両方を確認して成魚用の設備を選びましょう。 参考:[2]・[5]
Fluvalは砂または滑らかな砂利に、流木・岩・丈夫な水草を組み合わせる配置を紹介しています。隠れ場所を設けつつ、魚の体が大きくなっても出入りできる構成にします。 参考:[5]
水温・水質と水の動きを保つ
Maidenhead Aquaticsの表では22〜27℃、pH6.0〜7.5が目安です。現在の飼育水と購入先の条件を照合し、数字だけを合わせるために急な変更をしないようにします。 参考:[3]
AIによる説明イラスト 採水した水と色見本を比べ、水温計も確認する場面です。適した数値や確認項目は、魚・水草と現在の飼育条件に合わせて確かめます。Seriously Fishは酸素の多い水と適度な流れを重視しています。岩や流木を設置した後も水が動いているか、隠れ場所の周辺を確認できる配置にしておきましょう。 参考:[2]
餌は沈むものを用意し、植物性も含める
野外の食性には植物と小さな底生動物の両方が含まれます。水槽のコケを見つけて食べることだけに頼らず、本種へ餌が届くように計画します。 参考:[1]
Maidenhead Aquaticsは沈下性ペレットや植物性フレーク、藻類タブレット、冷凍餌などを挙げています。餌が底へ着く前に他魚へ奪われていないかも確認してください。 参考:[3]
混泳は成魚の行動を見て判断する
通常は同種1匹を基本にし、似た形の魚や底層魚との組み合わせに注意します。幼魚の間に争わなかった組み合わせが、成魚でも続くとは限りません。 参考:[2]
Fluvalは縄張り性に個体差があるとして、同居魚の継続観察を勧めています。中〜大型の活発な魚を候補にしても、追われる個体が出るなら計画の見直しが必要です。逃げ場を増やすだけで済むと決めず、分ける場所も確保します。 参考:[5]
同居魚を観察するときのポイント| 確認する場面 | 見方・次の行動 |
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| 底層で鉢合わせする | 相手の生活場所や体形が本種と重なっていないか確認する 参考:[2] |
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| 成長してから追うようになった | 幼魚時の様子だけで相性を決め直さない 参考:[2] |
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| 特定の魚が追われ続ける | 個体差を踏まえ、組み合わせを見直して分離も検討する 参考:[5] |
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| 給餌時に隠れたまま | 本種用の沈下性飼料が届く位置を確認する 参考:[3] |
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繁殖と野生の記録は分けて理解する
養殖魚は流通していますが、家庭での自然産卵の情報は多くありません。同種への不寛容さを考え、繁殖のために雌雄らしい二匹を同居させればよいとは考えないようにします。 参考:[3]
本種はかつて野生絶滅と扱われた時期がありますが、2013年にタイのメークロン下流で確認され、翌年に論文が発表されています。「現在も野生には一匹もいない」と断定しないことが必要です。この採集記録は、水槽での繁殖が容易という意味ではありません。 参考:[4]
失敗しやすい場面は、原因を決める前に切り分ける
次の表は、飼育資料の注意点を日々の確認と対応に分けたものです。見た目だけで病気を診断せず、変化が続く場合は測定値や食べ方の記録を購入店へ伝えましょう。 参考:[2]・[3]
起こりやすい失敗と、確認してから行う対応| 困った場面 | 先に確認すること | 次にすること |
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| 幼魚の頃に平和だったので成魚も一緒にする | 成長後の追尾と、底の餌場・隠れ家の独占を見る | 似た姿や底層の相手を慎重に選び、休めない魚が出たら分ける 参考:[2]・[3] |
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| コケを食べるので沈下食を用意しない | 本種の口へ餌が届くか、他魚が先取りするかを確認 | 植物質を含む専用の沈下食を与え、残りを回収する 参考:[3] |
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| 体が白っぽく見えたので水を急に変える | 導入時か、落ち着いた時と同じ照明か、食欲を確認 | 色だけで診断せず、追尾や水質の記録と合わせて購入店へ相談する 参考:[3] |
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レッドテールブラックシャークのよくある質問
レインボーシャークと一緒に飼えますか?
似た姿の魚も攻撃対象になり得ます。名前や近縁関係を相性の根拠にせず、通常の混泳候補として安易に組み合わせないようにします。 参考:[2]
オスとメスは簡単に選べますか?
成熟したメスは体に厚みが出る傾向がありますが、幼魚の外見での判別は難しいとされています。 参考:[2]
コケだけで飼えますか?
雑食性で、専用の餌も必要です。植物性を含む飼料と冷凍餌などを組み合わせます。 参考:[1]・[5]
繁殖した魚が売られているなら家庭でも増やせますか?
商業養殖と家庭水槽での自然産卵は別です。流通していることだけで、ペア飼育や繁殖の容易さを判断しません。 参考:[3]
購入前に確認したいこと
- 成魚を想定し、水槽の底面と容量を確認した 参考:[2]・[5]
- 隠れ場所と滑らかな底床を用意した 参考:[5]
- 成長後の争いに対応して魚を分ける場所がある 参考:[2]・[5]
- 沈下性飼料が本種まで届く給餌方法を考えた 参考:[3]
関連ページは特徴や飼育条件を比較するための案内です。混泳できる組み合わせを示すものではありません。
参考資料・情報の確認について
飼育施設・専門店の飼育案内と分類資料を照合して編集しています。野外の最大サイズと水槽内の目安を区別し、流通名だけでは種を特定できない場合は本文に記載しました。資料確認日:2026年9月22日。
- FishBase:Epalzeorhynchos bicolor:分類・最大全長・食性。水槽寸法欄の異常値は採用していない。
- Seriously Fish:Epalzeorhynchos bicolor:水槽底面・混泳・雌雄差の案内。
- Maidenhead Aquatics:Red-tailed Black Shark:水質・体色・給餌・家庭での繁殖に関する案内。
- Kulabtongほか(2014):Epalzeorhynchos bicolorの再発見報告:タイの分布と2013年の採集記録。採集個体の長さを最大サイズにはしていない。
- Fluval:Species Spotlight — Redtail Black Shark:300Lという水槽目安、底床・配置・餌・行動の個体差。