ドワーフピーコックガジョンは、淡水で飼えるカワアナゴ科の魚です。青みのある体に赤い模様、尾の付け根の黒い斑点が見られ、洞穴で雄が卵を守る繁殖行動も魅力です。小型でも隠れ場所と採餌の落ち着ける空間が必要で、狭い容器に少量の人工餌を入れるだけでよい魚ではありません。
ドワーフピーコックガジョンの飼育データ| 項目 | 目安・確認点 |
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| 学名・分類 | Tateurndina ocellicauda/カワアナゴ科 |
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| 原産地 | パプアニューギニアの淡水域 |
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| 大きさ | 最大7.5cm SLの資料あり。尾びれは含まない |
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| 水槽の参考 | Seriously Fishは成魚2ペアに45×30×30cmを提示。隠れ場所と相性の確認が必要 |
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| 水温・水質の参考 | 22〜26℃、pH6.5〜7.5、5〜10dGH(Seriously Fish) |
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| 繁殖 | 洞穴産卵。雄が卵を守る。汽水にする必要はない |
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数値は出典の飼育目安・記録値です。販売個体の種類や状態、購入先の管理条件も確認してください。参考:[1]・[2]・[3]
dGH・dHは水の硬度を表す単位です。pHと硬度は別の指標として確認します。
体色・尾の黒点と、オスとメスの見分け
成長した雄は頭の額が大きく盛り上がり、雌は黄色い腹部が目立つ傾向があります。繁殖を報告したWalter Hilgnerも、雄の大きな頭と、卵を持った雌のふくらんだ黄色い腹を説明しています。
ただし小さな販売個体では、これらがはっきりしないことがあります。体色の濃さだけでペアを決めず、成熟具合と行動、販売店の判別を合わせて確認しましょう。ハゼに似た姿ですがカワアナゴ科の魚で、バンブルビーゴビーの塩分管理をそのまま適用する必要はありません。
参考:[1]・[2]・[3]
水槽とレイアウト:水草・洞穴・静かな場所
Seriously Fishには成魚2ペアへ45×30×30cmという案がありますが、これはペア同士の相性を保証する数字ではありません。水草や隠れ家で視線を遮り、追われた個体が落ち着ける場所を作ります。
強い水流を全面へ当てず、餌が流されずに食べられる位置を確認してください。洞穴は一つだけでなく複数用意すると、休む場所や産卵場所を選べます。蓋も設置し、給餌や清掃の際に開けたままにしないことを習慣にします。
参考:[1]・[2]
餌付けと混泳:小さな冷凍餌を用意できるか
小さな生き餌や冷凍餌を好むことが、飼育資料や繁殖報告に記載されています。人工餌を食べる場合でも、どの個体も同じように食べるとは限らないため、購入前に餌の種類と食べ方を確認しましょう。
速く泳ぐ魚と混泳すると、餌に近づく前に食べ尽くされることがあります。小型レインボーなどを候補にする場合も、水質の重なりだけでなく採餌の速度を比べます。ガジョンが隠れたまま痩せるなら、餌を多く入れるより給餌場所や同居魚を見直してください。
参考:[1]・[3]
水温・水質:淡水で安定した環境を維持する
飼育者Gunnar Loiblの報告は21〜24℃、Seriously Fishは22〜26℃を案内しており、資料によって温度幅に差があります。販売店が維持している温度を確認し、資料の上下限へ急に変えることは避けます。
本種は淡水性で、繁殖のためにも海水塩の添加を前提にしません。水換えで温度差を小さくし、洞穴の奥に残った餌や汚れを確認します。繁殖中の穴はむやみに動かさず、通常の清掃で観察できる位置へあらかじめ配置しておくと管理しやすくなります。
参考:[1]・[2]
繁殖の流れ:洞穴の卵を雄が守った後も観察する
繁殖報告では、細めの筒状の産卵場所が利用され、雄が卵を守ります。産卵場所へこもる雄を何度も追い出して卵を確認するより、雌雄の行動と日付を記録して静かに観察しましょう。
孵化までの日数は資料間で違うため、固定の日程で判断しないようにします。稚魚用の微小な餌を準備し、食べられる大きさに応じてアルテミアなどへ移行します。卵を守る雄がいることは、混泳水槽で稚魚もすべて守られる保証にはなりません。育成場所と吸い込み防止も別に考えます。
参考:[2]・[3]
雄が卵へ水を送る姿を、洞穴を動かさずに観察
Twyla Lindstrom-Petersの繁殖記録では、陶器の産卵面を観察できる位置へ置き、雄がひれで卵へ水を送って卵が揺れる様子を確認しています。産卵場所の暗さを保ちながら、外から入口と雄を見られる配置にすると、保育を続けているかを観察しやすくなります。
卵を見たいからと洞穴を何度も回転させたり、雄を追い出したりせず、いつもと同じ場所から短く確認します。入口を塞ぐほど飾りを置かず、雌やほかの個体が近づいた後に雄が落ち着けるかも見ます。親魚の保育を観察する場所と、稚魚を育てる容器は別に準備しておきましょう。
参考:[4]
稚魚が底にとどまる段階と、泳ぎ始める段階を確認
同じ繁殖報告では、孵化した稚魚がしばらく底付近にとどまり、泳ぎ出してから微小餌、その後に小型のブラインシュリンプ幼生を食べるようになっています。孵化した日だけを起点に、親魚用の餌を一律に増やす方法ではありません。
孵化までの実測日数が文献の例と異なったことも記録されています。予定日を過ぎただけで失敗と判断せず、水温、卵の状態、雄の行動と合わせて経過を残しましょう。泳ぎ始めた稚魚には口に入る餌が届くかを確認し、育った個体と小さい個体の両方を見ながら餌を切り替えます。
稚魚が底にとどまる段階と、泳ぎ始める段階を確認| 見る場所・場面 | 確認すること |
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| 卵の段階 | 雄の保育と卵の変化を、場所を動かさず確認 |
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| 孵化後 | 底にとどまるか、自由に泳ぐかを観察 |
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| 給餌の開始・移行 | 微小餌を取り込むか、より大きい餌を食べられるかを見る |
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参考:[4]
ドワーフピーコックガジョンのよくある質問
ハゼなので汽水にする必要がありますか?
必要ありません。Tateurndina ocellicauda は淡水性で、実飼育・繁殖報告も淡水での管理です。同じような姿の別種の条件を混ぜないでください。
オス同士は必ず飼えませんか?
必ず不可とはいえません。小群の飼育案もありますが、視線を遮る水草と複数の隠れ場所が必要です。追い回しが続く場合は分けます。
卵は何日で孵化しますか?
参照した繁殖報告は日数が一致していません。温度や条件の差もあるため、一律の日数を約束せず、産卵日・水温・卵と雄の様子を記録して観察します。
購入前に確認したいこと
- 淡水の管理条件と現在食べる餌を聞く
- 雌雄を希望する場合は成熟度と判別根拠を確認する
- 水草と複数の洞穴で落ち着く場所を作る
- 繁殖時は微小な初期餌と稚魚の育成場所を用意する
関連ページは特徴や飼育条件を比較するための案内です。混泳できる組み合わせを示すものではありません。
参考資料・情報の確認について
飼育施設・専門店の飼育案内と分類資料を照合して編集しています。野外の最大サイズと水槽内の目安を区別し、流通名だけでは種を特定できない場合は本文に記載しました。資料確認日:2026年9月22日。
- Seriously Fish:Tateurndina ocellicauda:分類・標準体長・水槽と水質の案内
- Gunnar Loibl(2016):Sleeper Gobies:実飼育者による淡水管理と洞穴産卵の報告
- Walter Hilgner/Aquarium Dietzenbach:繁殖報告:雌雄、産卵場所、稚魚の初期給餌
- Twyla Lindstrom-Peters:Peacock Goby の繁殖記録:Regina Aquarium Society由来の本人報告再掲。保育行動と初期育成を参照